
ニッセイ基礎研究所の三原岳上席研究員
医療費を巡る議論が盛り上がりを見せている。特に最近の国政選挙では「現役世代の手取りを増やす」という看板の下、社会保険料軽減の必要性が論じられており、医療費抑制の選択肢が話題になっている。筆者自身も、高所得者や高齢世代の負担増などの制度改正には賛成であり、負担と給付の見直しを巡る関心が高まることも望ましいと考えている。
だが、医療費を抑制し、保険料負担を軽減するのは簡単ではない。できるだけ多くの人の納得を得られるような合意形成が必要だと強調したい。
そもそも約48兆円に及ぶ国民医療費がどうやって国民の間で負担されているのか、つまり「医療費の割り勘」を見ると、2023年度現在で国の税金24・8%...
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