米連邦準備制度理事会(FRB)が決めた政策金利引き下げは妥当な措置と言える。雇用情勢の悪化に対応する必要があったからだ。他方、大幅利下げを求めるトランプ大統領は近々自らに近い人物を次期FRB議長に指名するとみられる。インフレ再燃の恐れもあり、利下げ一辺倒というわけにもいかず、金融政策運営を巡る市場の懸念は強い。警戒が必要だ。

 FRBは10日の連邦公開市場委員会(FOMC)で主要政策金利を0・25%下げ、3・5~3・75%にすると決定した。利下げは3会合連続。政策金利は今回の金融緩和局面が始まる前の5・25~5・5%に比べ、1・75%も低い。景気を支えようとするFRBの意図を如実に示す。

 一方...

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