京都外国語大の土屋貴裕教授
 京都外国語大の土屋貴裕教授

 高市早苗首相の台湾有事発言について、中国は日本が台湾を自国防衛と日米同盟義務の核心に位置付けたと受け止めて猛反発し、外交・宣伝面で対抗を強めている。沖縄本島南東では中国海軍の空母「遼寧」から発進した戦闘機J15が自衛隊機にレーダーを照射した。

 防衛省はミサイルなど火器管制のためのレーダー照射とみている。これは射撃準備に等しく、偶発的な武力衝突に直結し得る極めて危険な行為である。

 火器管制レーダーの照射は、単なる索敵ではなく「いつでも撃てる」態勢への移行を相手に宣告するものだ。照射された側は、たとえ防御的であっても緊張状態に入らざるを得ず、わずかな誤認や操縦ミスから警告射撃や空中衝突に発展すれ...

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