ハラスメントに悩む女性のイメージ
 ハラスメントに悩む女性のイメージ
 東京地裁
 「職場のハラスメント研究所」の金子雅臣代表

 職場での「〇〇ちゃん」呼びはセクハラ―。運送会社に勤めていた40代女性が年上の元同僚の男性からセクハラを受けたとして賠償を求めた訴訟で、東京地裁が今年10月に出した判決が波紋を呼んでいる。一見信じ難いと思う判断が出るまでにどんなやりとりがあったのか。ちゃん付け呼びを「なれなれしい」と感じていた原告の女性に対し、「特別な意味は無い」と釈明する男性。法廷での尋問や訴訟資料からは、職場での小さな違和感が、やがて取り返しのつかない深い溝となっていく経過が明らかになった。(共同通信=助川尭史)

 ▽「なんか距離が近い…」突然届いた「感謝」の電報

 原告の女性は10年前から東京都内にある営業所で、電話応対の...

残り2618文字(全文:2918文字)