中国軍のJ15戦闘機=6月(防衛省提供)
 中国軍のJ15戦闘機=6月(防衛省提供)

 中国軍の戦闘機が航空自衛隊の戦闘機に対して危険なレーダー照射を行った。中国は台湾有事を巡る高市早苗首相の国会答弁に猛反発して日本との人的・文化交流や日本の水産物輸入を停止しており、レーダー照射も圧力の一環とみられる。

 台湾を「核心的利益」と位置付ける中国を挑発する結果を招いた高市氏の発言は極めて軽率だった。だが、中国側の反応もかたくなで粗暴と言わざるを得ない。

 中国は空母3隻体制や核弾頭急増で軍事大国化を進め、日米両国も対中抑止力の増強に躍起だ。日中は長期的な対立構造の中にある。両国首脳は冷静な対話で確執を制御し、際限のない「軍拡競争」に歯止めをかけるべきだ。

 今回のレーダー照射を巡り日本は...

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