
戦時下の銃後の活動の一環として大日本国防婦人会は軍事教練に参加した=1942年1月28日
戦前の日本に戦時体制を積極的に支えた女性の団体があった。白いかっぽう着にたすき姿で、掲げたスローガンは「国防は台所から」。出征兵士の見送りなどをした国防婦人会だ。
大阪で少人数から始まった活動は、後に全国で1千万人ともされる会員を擁するまでに膨れ上がった。今年は戦後80年。女性の社会参加の意欲と活力が軍に利用され、軍国主義に加担することになった軌跡を追ってみる。
発端は満州事変翌年の1932年。藤井忠俊氏の著書「国防婦人会」や当時関与した陸軍幹部の手記によると、日中両軍が衝突した上海事変に絡み、大阪港や大阪駅で出征兵士らを励まそうとお茶を振る舞った。「お国の為に命を捧げる人々に安心して出発し...
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