宗教画鑑賞の入門にも
本展は、長野市在住の収集家・長坂剛氏が長年にわたり築き上げた絵画コレクションから、58点を紹介するものである。展示作品は、大きく二つの時代に分かれている。
会場の冒頭を彩るのは、17世紀のバロック美術。スペイン、イタリア、フランドル(現在のベルギーやオランダ)といった、カトリック信仰が盛んだった地域で描かれた宗教画が並ぶ。バロック絵画の特徴である強い明暗のコントラスト、劇場の舞台を思わせる劇的な描写は、鑑賞者を画面の中へと強く引き込んでいく。
続く展示では、19世紀を中心とした近代絵画を紹介。ここでは宗教的な主題を離れ、肖像画、風景画、風俗画という分野を通じて、市民社会における絵画の変遷をた...
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