新潟県書文化の礎を築く
新潟の書文化を支えた書家の一人に、弦巻松蔭(1906〜95年)がいる。北蒲原郡葛塚町(現新潟市北区)出身で、戦後の新潟の書壇形成に大きな役割を果たした人物だ。県書道協会の創立や県展への書道部門参入にも尽力し、今日の新潟の書文化の基盤を築いた存在でもある。雄渾(ゆうこん)な線による書風を特徴とし、創作の厳しさと喜びを伝える指導で多くの門下を育てた。
本展では、松蔭の修業時代から独自の書風を確立するまでの代表作を紹介している。その一つ「人生堂々」は、重心移動と飛墨(墨のしぶき)による躍動感が印象的だ。書は文字を読むだけのものではなく、線と空間が作り出す世界そのものを味わう芸術であることに気づかさ...
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