パリ舞台 巨匠の作集め
20世紀初めのパリは、若き芸術家にとって魅力的な都市だった。政治的弾圧はなく、画商たちの注目を集めれば、経済的な成功を収めることもできた。何よりパリの活発な芸術活動が多くの画家たちを惹(ひ)きつけたのである。彼らは互いに刺激を与え、想像力を高め、自由で個性的な世界を表現した。後に「エコール・ド・パリ」と呼ばれる作家たちである。
この度、弥彦の丘美術館では、南魚沼市が所蔵する、主にパリを舞台に若き才能を発揮した作家たちの作品を展示する。
パリ生まれのモーリス・ユトリロは、パリの街を終生描き続け、「壁の肖像画家」と呼ばれた。「モンマルトルのラブルヴォワール通り」は、白を基調としながらも、街並み全...
残り765文字(全文:1065文字)