生命たたえる版画 圧巻

 木版画家、式場庶謳子(しきばしょおうこ)(1927〜2021年)の生誕100年を記念する展覧会がNSG美術館で開催される。

 式場は本名を昭子といい、中蒲原郡五泉町(現五泉市)に生まれ、この地で育ち、ここで生涯を終えた。生前、新潟市内の美術館で自分の展覧会をすることを強く希望していたという。

 彼女は少女時代、1人で色鉛筆で絵を描いているのが好きな子供だった。地元の高等女学校を卒業後、1948年より小学校の教師を務めた。最初は油絵を描いていた。58年、文部省の「学習指導要領」に版画が組み入れられたことがきっかけで、児童への指導のための見本を創るうちに、版画のおもしろさに気づいたようだ。自分の思ったこと感じたことを、彫刻刀を使って表現したことが「自分らしく表現できる」と確信した。

 式場は美術関係の学校では学んでいない。そこで...

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