
「今後は文学作品をモチーフに、独自の解釈を提示する作品を制作したい」と話すムットーニさん
箱の中の機械仕掛けの人形が、照明や音楽と連動して動き、数分間の物語を紡ぐ―。からくり人形作家ムットーニさんは「箱の中は舞台で、僕は演出家みたいなものなんです」と話す。
摩天楼と題された作品では、高層ビルを背景に、ベンチに座った1組のカップルの人形が1回転する間に、昼から夜へと一日が過ぎていく。最後はビルのかなたに未来都市が見えてくる。
「明確なストーリーはなく『余白』を残しているから、見る人によって意味が変わり、さまざまな物語が紡がれるのだと思う」と語る。
中学時代から油彩画を描き始めたが、20代後半に自分なりの表現で描き続けられるのかと行き詰まった。その頃、展覧会で作品を見たスペインの芸術...
残り354文字(全文:654文字)












