人生は楽しまなきゃと気楽に生きるカースケと同郷の先輩で優柔不断なグズ六。生真面目でも自分に自信の持てないオメダ。中村雅俊さん主演のテレビドラマ「俺たちの旅」は、1975~76年に放映された。個性ある3人が繰り広げる青春群像を毎回楽しく見ていた

▼劇中でカースケらが作った「なんとかする会社」は庭の手入れや子守、ドブ掃除などを請け負う便利屋だ。当時は仲間同士で仕事ができることに憧れた

▼昨年の秋以来、BSでの再放送を懐かしく見た。見るこちら側が年を重ねたせいなのか、面白さよりも切なさを感じて涙がにじんだ。恋愛も就職もうまくいかずハッピーエンドに終わらない展開が、妙に胸にしみた

▼自由そうでうらやましかった「なんとかする会社」には、生活が安定しないような働き方をするのはごめんだなと思ってしまった。年とともに保守的になってしまったからだろうか

▼でも、つらいことや悲しいことを通して、友の存在のありがたさを強く分からせてくれた。3人は考えや生き方の違いからよく衝突したが、違いを分かり合い助け合った。自分とは違うからといって、排除なんてしない

▼半世紀後の3人を描いた映画「五十年目の俺たちの旅」が現在、県内でも上映中だ。映画でも人生の切なさが描かれており、厚い友情は50年を経ても少しも変わっていなかった。わが身を振り返れば、古き良き友とはメールやLINEで連絡するぐらいだ。久しぶりに杯を交わして、若いころに戻りたい。