さまざまな高校スポーツがあるのに、どうして野球ばかりが特別扱いなんだと、苦言をいただくこともある。今日ばかりは寛大な目で見てご容赦を。98回を数える春のセンバツ大会の歴史で初めてのことである。北信越の代表枠を県勢2校が独占した
▼初の甲子園となる帝京長岡と春夏で18回目の日本文理は、北陸の強豪校をなぎ倒し、出場権を勝ち取った。2009年夏の日本文理の甲子園準優勝は球史に残るものの、新潟は「野球後進県」に甘んじてきた。晴れ晴れと快哉(かいさい)を叫びたい
▼冬を越えてすぐのセンバツでは、県勢はこれまで通算3勝12敗だった。スポーツ専門サイトのスポーツブルによると、試合数も勝率もダントツの全国最下位だ。夏の大会も29勝64敗で勝率は山形と並びビリに沈む
▼センバツの県勢初陣は1958年第30回大会の新潟商だが、2安打で完封された。次の76年糸魚川商工はノーヒット、続く84年新津は1安打。いずれも初戦で完敗を喫した
▼全国唯一の未勝利県の不名誉を返上したのは20年前だ。日本文理が2勝を挙げた。その後も日本文理が1勝を積み上げ、ようやく新潟も…と思わせたが、最近は11年連続で出場すらなかった
▼今春の2校選出は、本県のレベルが底上げされた証しと捉えたい。高校だけでなく、学童や中学校、リトル・シニアの指導者らが育成力を磨き、練習環境を整えた蓄積があってこそだろう。2校出場でワクワクもハラハラも2倍に膨らむ。厳しい冬の先に見える球春を待ちたい。
