身に迫る危険は、できる限り自分で回避できるよう心がけたい。ただ時折、全く予測不能な惨事も起こる。埼玉県八潮市の県道が突如陥没した事故の発生から1年が過ぎた。1人の命が奪われた痛ましい事故だった。現地では今も復旧が続く

▼折しも今月初め、新潟市東区でも道路が大きく陥没した。八潮市と同様に下水管の老朽化が原因とみられる。通りがかったトラックは間一髪で転落を免れたが、重大な事故になる恐れがあった

▼2024年度に全国で確認された道路陥没は9866件に上る。もはや道路には穴が開くものだと考えるべきなのか。道路も橋もトンネルも、安心して使えることを最優先したい。安全を保つためなら、あれもこれもは望むまい

▼昨年末は民間施設でひどい事故が続いた。東京都赤坂の個室サウナでは閉じ込められた夫婦が死亡した。室内の非常ボタンは電源が切れていた。北海道小樽市のスキー場ではエスカレーターに巻き込まれて5歳児が亡くなった。非常停止機能が作動しなかった

▼安全装置を備えていても、操作する担当者の責任ある運用が伴わなければ意味をなさない。見せかけだけの安全対策だとしたら余計に罪深い。悪意はなくても許されない

▼暮らしていく上で、命に関わる安全に勝るものは恐らくない。間違っても経済性や利便性が優先されることなどあってはならない。いまさら言うまでもないだろう。経営再建計画を4年半ぶりに刷新した東京電力は、社訓に深く刻印されているはず。