インベスコ・アセット・マネジメントの木下智夫グローバル・マーケット・ストラテジスト
 インベスコ・アセット・マネジメントの木下智夫グローバル・マーケット・ストラテジスト

 日銀が19日、政策金利を現行の0・5%程度から0・75%程度に引き上げると決めた背景には、米高関税の影響が当初の予想より軽微との見方が広がったという事情がある。関税が日本経済を圧迫するリスクが下がったことで、長期化する物価高を抑えるため利上げを実施する環境が整った。

 高市早苗政権が打ち出した大規模な経済対策を裏付ける本年度補正予算が成立し、これにより景気が支えられる見通しとなったのも、日銀に利上げを促す材料となった。

 換言すれば、景気を冷やす作用がある利上げに踏み切っても、過度に日本経済を下押しする懸念が薄れた状況になったことが今回、日銀の背中を押した。

 消費者物価の上昇率は3年8カ月続けて...

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