日銀が追加利上げを決め、政策金利は30年ぶりの高水準に達する。長引く物価高を抑えるのが狙いで「金利が上がる時代」の到来を告げた。半面、利上げをきっかけに市場金利がさらに上昇すれば、景気を圧迫しかねない。政府と企業、家計はともに備えを急ぐ必要がある。

 19日の金融政策決定会合で、日銀は政策金利を0・5%程度から0・75%程度に上げると決定した。利上げは11カ月ぶり。その水準は0%台にとどまり、金融環境は依然緩和的と言える。昨年3月に始まった大規模緩和修正のペースは緩やかだ。

 今回の利上げを見越して市場金利は既に上昇傾向を強めている。長期金利の指標である10年物国債の利回りは19日、約26年10...

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