インタビューに答えるローレンス・ウィルカーソン元米国務長官首席補佐官(共同)
 インタビューに答えるローレンス・ウィルカーソン元米国務長官首席補佐官(共同)

 2003年のイラク戦争の舞台裏を知るローレンス・ウィルカーソン元米国務長官首席補佐官(80)は開戦の大義に掲げた大量破壊兵器の保有情報について、当初から「動かぬ証拠はなかった」と振り返った。戦争を推進したネオコン(新保守主義)の影響下、根拠が不十分な主張を押し通したことは、米国の情報活動で「最悪の失敗の一つだ」と指摘した。(ワシントン共同=新冨哲男)

 ―ブッシュ(子)政権が開戦の節目と位置付けた2003年2月のパウエル国務長官の国連安全保障理事会演説に関わった。

 「ネオコン代表格のチェイニー副大統領からの求めでパウエル氏は不本意ながら演説を引き受けた。ホワイトハウスから届いた草稿は問題が多く...

残り813文字(全文:1113文字)