6月の任期満了に伴って行われる知事選が、今年の県内政治の軸になる。東京電力柏崎刈羽原発の再稼働を容認した花角英世知事の政治姿勢が問われる。

 再稼働の判断を巡っては昨年、県民投票を求める声が高まったが、実現はしなかった。代わりに花角氏は、自身の「容認」判断について県議会に審判を仰いだ。

 このため県民が再稼働に対する意思を直接示す機会がないまま、今月20日に柏崎刈羽6号機の再稼働を迎えようとしている。

 花角氏は自民党県連から3選出馬を要請されたが、態度を明らかにしていない。立憲民主党県連が擁立を検討する独自候補の人選が注目される。

 だが本県の課題は原発だけではない。人口減と高齢化の現実を見つめなければならない。

 県人口は1998年の249万4千人をピークに、現在は206万人台にまで減っている。

 出生数が少なくなっているだけでなく、転出数が転入数を上回る「社会減」が多く、県の分析では20~24歳の転出が目立つ。政府によるこれまでの「地方創生」でも東京一極集中に歯止めがかかっていないのが現状だ。

 就職を機にした流出を食い止めるには働き口を確保する必要がある。ただし人材獲得競争は全国で激しく、首都圏企業の好待遇と張り合うのは難しい。

 県全体で暮らしやすさや、産み育てやすさを向上させ、若者の定着を図りたい。

 気がかりは、暮らしを支える地域医療の危機である。

 県病院局が昨年5月に公表した2024年度病院事業会計への驚きは大きかった。患者数が想定を下回り、46億円の赤字になる見通しが示された。

 過去最大の赤字額だ。運転資金に相当する内部留保資金が25年度末にも枯渇する恐れがあった。国が昨年末に支援策をまとめたことで当面の枯渇は回避できそうだが、一時しのぎでしかない。

 人口の流出を止めるためにも、地域医療をどう保つか、再編も含め議論せざるを得ない。

 全国平均より高い高齢化率を踏まえ、高齢者と家族を支える環境の整備も急がれる。

 知事選後に動きが本格化するとみられるのが新潟市長選だ。24年に体調を崩し3カ月療養した中原八一市長が10月の市長選で3選を目指すかが焦点である。

 能登半島地震によって液状化が発生した地域で、対策事業を前進させられるか手腕が問われる。

 市の限られた財源と向き合えば、老朽化した地下商店街跡地や公共施設について痛みを伴う存廃議論が避けられない。

 人口減時代にあってもいかに政令市としての拠点性を維持、向上させていくか。その展望を示す市政運営が求められる。