人々から選ばれる「強い新潟」を掲げた。しかし、本県で暮らす魅力や安心材料を感じさせるだけのインパクトは乏しいと言わざるを得ない。「選ばれる新潟」をどう実現していくのか、県民に丁寧に説明してもらいたい。

 花角英世知事は18日、2期目最後となる2026年度当初予算案を発表した。一般会計は1兆1698億円で25年度当初に比べ241億円、2・1%増額となった。

 25年度2月補正予算案と一体で編成しており、これを含めると総額1兆2667億円となる。

 会見では5月の知事選に3選を目指して立候補すると表明し「物価高で困っている人を助け、伸びようとする人を後押しし、活力ある新潟をつくる」と強調した。

 予算案は、国の経済対策として大幅に増額された「重点支援地方交付金」を活用して編成し、経済活動と暮らしを支援する。

 企業向けでは、売上高100億円を目指す中小企業に、設備投資費などとして2500万円を上限に補助し、稼ぐ力を強化する。

 県民を対象に、県内の宿泊、飲食料金を割り引く「Go

 To

 トラベル・Eat」事業には30億5千万円を盛った。県民の負担を軽減しつつ、消費を刺激する効果を期待したい。

 依然としてエネルギー価格などの高騰にあえぐ法人、個人も多く細かな目配りが欠かせない。

 農業関連では、農地の大区画化や集約を進める。農家の生産性を高めるとともに、耕作放棄地の増大に歯止めをかけたい考えだ。

 国は「令和の米騒動」を受け増産路線を表明したのもつかの間、生産抑制へ転換した。農家の収益を向上させ、農業を続けられる環境をつくれるかが鍵である。

 「住んでよし、訪れてよしの新潟県」を基本理念に掲げ、25~32年度を実施期間とする県総合計画は2年目に入る。

 人口減少に対し、婚活の支援や妊婦の交通費補助、子育て世帯向け住環境の整備など人生のステージに応じたメニューを拡充した。

 本県は10~20代を中心に、就職や進学で県外に転出する人数が多い。これを抑える策にしていかねばならない。

 原子力防災では、東京電力が拠出する資金で基金を創設し、避難所となる体育館の空調を整備し、避難路の除雪体制を強化する。

 柏崎刈羽原発では再稼働後、制御棒に関するトラブルが発生した。大雪にも見舞われ、県民の不安払拭は途上だ。

 花角知事には再稼働を容認した責任がある。安全・安心の確保に努めてもらいたい。

 財政収支では、31年度に公債費負担のピークを迎えた後は、持続可能な財政運営を見通すことができるという。しかし、金利の上昇も予想され、経済情勢を注視しなければならない。