復旧・復興と物価高対策を最優先課題に挙げた。だが、その規模やスピード感が適切であるか議論が必要だ。
新潟市は2026年度当初予算案を発表した。一般会計の総額は4425億円で、前年より158億円増加した。4年連続で過去最大となった。
全国で人口が減少する中、都市の活力を生み出し、若者や子育て世代に選ばれるまちを目指すとした。インフラ整備や公共交通の確保など持続可能性も重視する。
中原八一市長は会見で「明るい未来を切り開くための内容を盛り込んだ」と語った。
復旧・復興では、街区単位の液状化対策実施に向け、実証実験などを行う。市は住民同意が得られた場合、対策工事の着工は早くても28年となる見通しを示すが、住民の不安を取り除けるよう、事業を加速させてほしい。
物価高対策として、26年度に限り、小学校の給食費を無償化する。医療材料費などの高騰で影響を受ける救急指定病院への支援には1億5500万円を盛った。
給食費の無償化が1年限りで、子育て世代の負担軽減になるのか。継続的な実施に向けた検討も進めてもらいたい。
目玉と言えるのは、中央区白山エリアへのアリーナ新設に向けた調査検討費を計上したことだ。
アリーナは老朽化が進む市体育館と、市陸上競技場の補助競技場(サブトラック)を廃止して整備する方針だ。
民間の資金やノウハウを活用するPFI方式を前提とし、財政負担を低減するとしている。それでも、巨費を伴う大型事業となることは確かだ。市民の理解を得られるか、注視したい。
市は駅前から古町までの「にいがた2km(にきろ)」を軸にまちづくりを進めてきた。
古町地区では、西堀地下施設の利活用策の検討を続ける。旧新潟三越跡地は事業主体となる準備組合が再開発ビルの建設計画を見直し、規模を縮小するという。
JR新潟駅前で行っている広場の整備は来春にも終わる。
ここにアリーナを加え、それぞれの施設をどう連携させて政令市全体の魅力向上につなげるのか、将来像の丁寧な説明が必要だ。
老朽化が進む各区の公共施設の再編や、道路陥没事案が発生した下水道管の更新も着実に取り組まねばならない。
人件費や物価の高騰で、予算案の総額は前年より増えたが、貯金に当たる基金は取り崩さず、残高は92億7千万円を維持した。
ただ、地方公共団体の財政力を表す指標である財政力指数は政令市の中で最も低い。実質公債費比率などを見ても財政状況は他の政令市に比べて良好とは言えない。
引き続き、堅実な財政運営が求められる。
