政治の風景が一変した中での国会だ。時間をかけて丁寧な審議を尽くすのか、それとも「数の力」を背景に議論を推し進めるのか、与党の対応を注視したい。
衆院選を受けた特別国会が18日、召集される。衆参両院で首相指名選挙が実施され、自民党総裁の高市早苗首相を選出する。第2次高市内閣が発足する。
自民と日本維新の会の連立政権は計352議席と、衆院定数の3分の2を超える巨大与党となり、17の常任委員長ポストを独占できる。一部は野党に譲るものの、予算や総務、法務、財務金融といった主要ポストを握る。
野党との意見が大きく割れる法案でも、与党のペースで審議を進められるようになる。衆参ともに少数与党だった一時期とは様変わりすることが確実だ。
政権基盤が強まり、高市首相が掲げる「国論を二分するような大胆な政策・改革」に着手する舞台が整ったと言っていい。
懸念するのは、野党の主張を尊重する国会となるかどうかだ。
首相や閣僚を厳しく追及してきた勢力は衆院選で大きく後退し、野党第1党の中道改革連合でさえ49議席にとどまる。
自民幹部は「これまで割り振っていた質問時間は議席が減った分、圧縮することになる」としており、野党の発言機会が少なくなることは間違いない。
法案への疑問が解消されなくても、一定の時間に達すれば審議が打ち切られることも考えられる。
今回の衆院選で、自民は小選挙区の86%に当たる議席を得たが、小選挙区の合計得票率は49%と、半数に届いていない。
与党には、野党に投じられた多くの民意があることも念頭に置いた丁寧な国会運営を望みたい。
当面の焦点となるのは2026年度予算案だ。
予算案審議は例年、衆参両院で計2カ月程度かかるが、1月23日の通常国会冒頭で衆院が解散された影響で、予算成立は4月以降にずれ込むとみられている。
ところが高市首相は、26年度予算案などを例に「25年度末までに成立が必要な法案について皆で力を合わせ、一日も早く成立させたい」と述べ、年度内の成立に意欲を隠さない。
25年度末までには6週間しかなく、成立させるには窮屈な審議日程を強いることになる。
予算成立を先送りして解散した与党には、国民生活に資する予算となるように十分な審議時間を確保する責任があるはずだ。
野党は、与党が数の力で予算審議を押し切ることを警戒しているという。少数与党の参院で否決しても、衆院の3分の2以上で再可決すれば成立できるためだ。
野党の存在意義が問われる国会になる。追及力を磨き、チェック機能を果たすことを求めたい。
