
新潟県は、漫画家を多く輩出していると言われる。県民の間でしばしば話題になる疑問を、第一線で活躍している漫画家の皆さんに、ズバリ聞いてみた。新潟に漫画家が多いのは、なぜですか-。
新潟は本当に漫画家が多いのかどうか。前提について、研究者にたずねた。
駒沢大経営学部教授の齋藤都美(くによし)さん(50)=産業組織論=は「個人の創造性が生まれやすい環境」をテーマに研究している。
漫画の通販サイトで発行部数が上位の310タイトルを対象に、人気漫画家をピックアップ。0〜17歳の若年人口100万人に対して人気漫画家が何人輩出されているか、都道府県別に計算した。新潟県は12・1人で、富山県13・5人、東京都13・3人、熊本県12・6人に次いで4位だった。

齋藤さんは「作家は個性が重視される上、作品の価値が部数だけでは測れない側面もあるが、市場価値という観点で発行部数を指標とした」と説明する。
◆「我慢強さ、優しさ」「冬は娯楽少ない」
当事者である漫画家は、多い理由をどう考えるのか。一番多く挙がった理由は、「雪国だから」だった。
「頭文字D」で知られるしげの秀一さん(67)は国内屈指の豪雪地帯、十日町市松之山地域の出身。「冬は暇で、考える時間がたくさんある。子どもの頃、布団に入って眠るまでの間、よく考えを巡らせていた。夢想家が生まれ、漫画家に育つ環境かもしれない」

県民の気質について「我慢強さ、優しさ」を挙げ、「新潟県でも特に地方の出身で、この気質が育まれたことは漫画家をやる上で武器になった。県人という意識を忘れたことはない」と力を込める。
「ショムニ」や「ちひろさん」の作者で、新潟市西蒲区出身の安田弘之さん(58)は「冬は娯楽が少ない。絵を描くなど、手作業に意識が向くような気がする」と分析する。
◆「鬱屈していたから?」
「Dr.アシュラ」を描いたこしのりょうさん(58)は、昔を振り返り「鬱屈(うっくつ)していたから?」とする。三条市で過ごした青春時代はドラマ「スクール☆ウォーズ」のような世界。「怖くてツッパリ側に行けず、勉強もだめだった。シャイだけど言いたいことを表現できるのが漫画だった」と語る。
「ヒカルの碁」を手がけた新潟市東区出身の小畑健さん(56)は、豊かな自然に言及。漫画家を目指した理由を「虫が好きで昆虫を捕ったり、図鑑を見たりして絵を描いていた。(新潟は自然が多いので)そういう面ではよかった」と振り返る。

漫画研究者で、開志専門職大アニメ・マンガ学部准教授の雑賀(さいか)忠宏さん(45)=社会学=にも聞いてみた。「漫画家の皆さんが指摘されている環境的な条件はあるかもしれない」としながらも、「作家の特徴はそれぞれで、地域性を反映しているとは言いがたく、地域性に囲い込むと見えなくなるものも大きいと思う」と話した。
この疑問。あなたはどう考えますか?...












