東京大大学院の田中東子教授
 東京大大学院の田中東子教授

 選択的夫婦別姓を巡る各党の判断は、衆院選の争点の一つだ。自民党は、夫婦同姓を前提にした旧姓使用の法制化を公約で掲げた。旧姓使用による不便を解消するのが狙いだが、婚姻における姓の選択権の不平等といった本質的な問題を置き去りにしている。旧姓使用法制化が根本的解決に向けた政治的優先度を下げる懸念を明確にしておきたい。

 夫婦同姓を強制しているのは、世界でも日本だけである。それゆえ、国連の女性差別撤廃委員会(CEDAW)は、日本が批准している女性差別撤廃条約の履行状況について、2003年以降、日本政府に4度の勧告を行ってきた。

 特に、24年の最終見解では、女性が夫の姓を採用することを実務上強いられてい...

残り1074文字(全文:1374文字)