人が強くリスクを感じる要因について、米ハーバード大学のリスク解析センターが報告書をまとめている。主に10項目がある。(1)恐怖を感じるもの(2)自分で制御不能なもの(3)自然由来ではない人工物、さらに(4)選択できず押しつけられたものにリスクを感じやすい
▼加えて、(5)子どもに関係すること(6)未知のもの(7)認知度や関心が高いものに警戒心は高まる。(8)自分や身内に累が及ぶ(9)見合う利益がない(10)関与する者への信頼がない、なども要素とされた
▼「『ゼロリスク社会』の罠(わな)」の著者佐藤健太郎さんは、福島第1原発事故における放射能のリスクは、この10の要因を「見事に全て満たして」いたとする。さて、約14年ぶりとなる柏崎刈羽原発の再稼働は、県民にとってどうか
▼福島事故を経て未知のリスクとは言い難いし、他に避難計画など固有の要素もあるけれど、列挙された要因はおおむね当てはまりそうだ。ただし、この中には人為的に変えられるものがある。高めてもらわねばならない。信頼である
▼当事者の東京電力が、20日に予定していた柏崎刈羽原発の再稼働延期を発表した。制御棒の試験中に、機能すべき警報が作動しなかった不具合が理由だ。動作確認に1日から2日程度要するという
▼今回の不具合で原発への不安が強まった人も恐らくいるだろうが、不都合なことも隠さずごまかさず、誠実に情報開示し、堅実に対応していく以外、信頼の醸成はあり得ない。妥協のない安全最優先の徹底を県民は注視している。
