再審無罪が確定した袴田巌さん(89)の静岡県一家4人殺害事件など3件の再審請求審を最高裁で担当し、再審開始を認めなかったいずれの決定でも「開始すべきだ」と反対意見を書いた判事がいる。

 行政法学者として、東京大教授から転身し、昨年夏に定年退官するまでの6年4カ月間、異彩を放ち続けた宇賀克也さん(70)だ。

 再審制度をめぐっては、審理の長期間の要因として、開始決定に対する検察の不服申し立てが批判されてきた。しかし、申し立てを禁止する規定の導入は見送られる見通しだ。再審開始の壁は高いままでいいのか。SNSでは「最高裁の良心」とまで呼ばれた宇賀さんにインタビューし、足跡をたどった。(共同通信=大根怜...

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