
「ナルコトピア」
年明け、米国によるベネズエラ攻撃が世界を震撼させた。着手の理由は「麻薬撲滅」。真の背景はどうあれ、米国はなぜかくも麻薬にこだわるのか。舞台は違えど本書を読むと、超大国と麻薬の深い関わりが見えてくる。
バンコク在住の米ジャーナリストが、ミャンマー領内の「麻薬国家」とする「ワ州」を追った重厚なノンフィクションだ。ワ州は中国やタイとの国境近辺の山岳地帯にあり、少数民族のワ人が住む。著者は幸運にもワ州の指導者の一人だったソー・ルーと出会い、「建国」の秘話、そしてワ人が育てるアヘンを巡る、米国や軍事政権との壮絶な攻防を聞き出す。
1944年、キリスト教徒の家に生まれたソー・ルーは5歳で中国共産党に故郷...
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