みるみる降り積もる雪を見れば、早く除雪しなければならないという焦りが生じがちである。しかし、落ち着いて安全を最優先に行ってほしい。

 県内は1月後半から山沿いを中心に大雪に見舞われている。3日には、各地で家屋や車庫が倒壊し、2人が巻き込まれた。長岡市の積雪は3日現在、約130センチ、平年の約2・5倍だ。

 県によると、除雪中の事故や病気の発症が相次ぎ、死傷者が急増している。

 今冬の雪に関する人的被害は2日現在、前年同時期の51人を大きく上回る計144人となっている。このうち死者数は17人で昨冬全体の合計と並んだ。

 原因別では、雪下ろしなどの除雪作業が6人、側溝などへの転落が2人、病気の発症など「その他」が9人だ。

 雪下ろしの際はヘルメットや命綱など安全対策を講じ、2人以上で作業したい。

 十日町市では水路の雪詰まりを解消しようとしていたとみられる男性2人が流され、死亡した。危険箇所は特に注意が必要だ。

 死者の8割が65歳以上であることも目を引く。専門家は作業前に室内で準備運動をするようアドバイスしている。小まめに休憩を取ることも有効だろう。

 除雪機に詰まった雪を取り除こうとして、手を巻き込まれ重傷を負うケースも続発する。エンジンを切り、雪かき棒を使いたい。

 県は豪雪災害対策本部を設置し、小千谷、魚沼、長岡の3市に災害救助法を適用した。市が救助活動として行った屋根雪除雪などの費用を県と国が負担できる。

 高齢化が進み、自力での雪下ろしが困難な世帯が増えている。不安を抱える住民に寄り添った対応を望みたい。

 今冬の大雪は、北極付近の寒気が南下し、日本付近に長期間居座ったことが大きな要因だ。

 大陸からの風が合流してできる「日本海寒帯気団収束帯」(JPCZ)も影響したという。

 気象庁は「寒気の動向次第で再び広い範囲で大雪となる恐れはある」と呼びかける。7~8日は強い冬型の気圧配置になると予想されている。

 寒気が緩むと、屋根雪が落ちたり、水路の水かさが増したりして危険性が高まる。注意が必要だ。

 8日投開票となる衆院選の最中だが、政治家には大雪が災害だという認識を強く持ち、住民のために汗を流してもらいたい。