「政治とカネ」が選挙の度に争点になるのは、いつまでたっても政治がこの問題を置き去りにしているからだ。今回衆院選でも各党が示す解決策の実効性と、改革への本気度が問われる。

 問題の発端となったのは自民党の派閥裏金事件だ。自民が2024年2月に公表したアンケート結果では、裏金事件に関連して政治資金収支報告書の不記載があった議員が85人に上っていた。

 24年10月の前回衆院選では、自民は逆風を踏まえ、旧安倍派の関係議員を非公認としたり、公認しても比例との重複立候補を認めなかったりした。

 しかし、今回選挙では一転して、事件に関係し立候補した44人のうち、無所属となった1人を除く43人全員を公認し、比例との重複も認めている。

 日本記者クラブ主催の討論会で、高市早苗首相は「みそぎが済んだと受け止めてはいない」と述べたが、選挙対応は「過去の問題」として片付けたように映る。

 国会では昨年、通常国会に続き臨時国会でも、企業・団体献金を規制する政治資金規正法改正に結論を得られなかった。「癒着(ゆちゃく)の温床」とみる野党と自民の隔たりが大きいことが背景にある。

 透明度を高める政治資金の規制強化は完了せず、問題が終わっていないことは確かだ。野党は自民の選挙対応を「国民の理解を得られない」と批判している。

 衆院選公約で、各党が有権者に何を約束するか注目したい。

 自民は企業・団体献金の存続を前提に「禁止より公開」の方針の下、透明性と公開性を強化すると、従来通りの主張を掲げた。

 連立を組む日本維新の会は企業・団体献金の全面禁止を目指す。

 ただ、連立政権合意書では、結論は高市首相の自民総裁任期である27年9月までに得るとしており、長引く可能性がある。

 高市首相を巡っては、自らが代表を務める選挙区支部が、24年に上限を超す企業献金を受けていたことが昨年、発覚した。複数の閣僚に、政治資金収支報告書への寄付の不記載が見つかった。

 政治資金に関わる問題がなぜ続くのか。政権が議論を率先し、再発を防ぐべきだろう。

 野党は、企業・団体献金の全面禁止や、受け手規制の強化などを公約する。政治資金を監視する第三者機関の創設や、テクノロジーを活用した政治資金の動きの可視化、法令違反があった場合の議員への厳罰化を掲げる政党もある。

 政治不信の払拭には、一刻も早くこの問題の解決を図ることが不可欠だ。各党は衆院選を通じて議論を深め、選挙後には改革を前進させなくてはならない。