あのさん
 あのさん
 「哲学なんていらない哲学」

 本の冒頭から不穏な空気が漂う。第1章の書き出しはこうだ。「復讐。これは僕の人生において重要なテーマ」。俳優、タレントとしてバラエティー番組やドラマに引っ張りだこの“あのちゃん”が、初の著書で、ヒリヒリするようなつらい記憶と向き合い、人生の核にある哲学を明かした。

 「書き終えて、あんま読んでほしくないって思っちゃいました。それぐらい大事なことを書けたのかなって」

 幼い頃から周囲と違う自分に劣等感があった。幼稚園ではみんなと輪になって踊れず、小学校では矯正器具を付けた口や滑舌の悪さをからかわれた。教室でじっとしていられなかった中学時代はいじめも激しく、声が出なくなって心因性失声症と診断されたこと...

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