投票日のきょうも除雪に追われている人は少なくないだろう。しかし、私たちの暮らしが懸かった選挙である。足元に注意し、ぜひ投票に行ってほしい。
高市早苗首相が進退を懸けるとして臨んだ衆院選期間中、本県など日本海側を中心に大雪が続き、人的被害が相次いでいる。
雪で通常とは異なる選挙活動を強いられた候補者の声は有権者に届いただろうか。雪への対処に追われる人々は、各党の訴えを吟味する時間を持てただろうか。
選挙期間中の首相の訴えを聞いても、この雪の時期に、どうしても解散しなければならないほどの大義が見えたとは言い難い。
だが、今回の選挙は日本の大きな転換点になる可能性がある。
首相は衆院を解散するに当たって「国の根幹に関わる重要政策の大転換」のため、安定した政治基盤と国民の明確な信任が必要だと説明した。
与党の自民党と日本維新の会の連立政権合意書では、改憲の早期実現や安全保障関連3文書の改定などを掲げた。
自民は公約に、防衛装備移転について、非戦闘目的の5類型に限るルールの撤廃も盛り込んだ。首相は非核三原則の見直しも検討するという。
選挙の結果次第では、戦後日本が歩んできた平和国家としてのありようが大きく変わることになるかもしれない。
各党の政策を冷静に見極め、意思表示をしたい。
選挙期間中、各党が特に力を入れて訴えたのは物価高対策をはじめとする経済政策だった。食料品など身の回りの品の値段は上がり続け、生活を圧迫している。
選挙戦では多くの党が消費税の軽減や廃止を訴えた。消費税減税の手法に加え、それによる税収減をどう補うのか、各党の立場は異なる。主張の違いに目を凝らす必要がある。
依然として「政治とカネ」の問題が棚上げされていることも忘れてはならない。
本県にとって重要な原発・エネルギー政策やコメ政策も注視する必要がある。
選挙期間中には、交流サイト(SNS)などで偽情報やデマが拡散された。不確かな情報に流されることがないように発信源などを見定め、判断してほしい。
懸念されるのは投票率である。2024年の前回衆院選では県内の小選挙区の投票率は58・56%と6割を切った。特に若年層の投票率が低い。10代は43・35%、20代は35・76%にとどまった。
若い世代の将来にも関わる政策が論じられた選挙だ。1票に思いを託してもらいたい。
