園田寿・甲南大名誉教授
 園田寿・甲南大名誉教授

 法制審議会は12日、危険運転致死傷罪の要件を見直す自動車運転死傷行為処罰法改正の要綱を採択し、法相に答申した。要綱は長年指摘されてきた「法解釈の壁」と「国民感覚とのズレ」をどう埋めたのか。議論の背景と改正の方向、そして残された課題を解説する。

 そもそも危険運転致死傷罪が生まれた背景は、悪質な交通犯罪への処罰感情の高まりだった。以前は飲酒や暴走による死傷事故も業務上過失致死傷罪(当時は最高5年の懲役刑)で処理されていたが、これでは軽すぎるという世論の高まりを受け、2001年に、故意犯と過失犯とが結合した傷害致死罪のような重罪(死亡の場合、当時最高15年の懲役刑、現在は最高20年の拘禁刑)として...

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