中央大学研究開発機構の新井誠教授
 中央大学研究開発機構の新井誠教授

 法制審議会(法相の諮問機関)は12日、成年後見制度を見直す民法改正の要綱を、法相に答申した。認知症や知的障害などで判断能力が十分ではない人の法律行為を支える制度で、家族などの申し立てを受けて家裁がサポート役を選ぶ「法定後見」は抜本的に変わる。その一方で、もう一つの「任意後見」の利用促進に関する議論が進まなかったのは残念だ。

 任意後見では本人が判断能力のある段階で、後見人や財産管理などの委任内容を決める。本人の自己決定を尊重する仕組みで、海外では主流だ。今回の見直しにより、諸外国と比較し、成年後見制度の利用者が極端に少ない現状を打破できるのか注視する必要がある。

 従来の法定後見は、本人の判断能...

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