「ずっと棚に置いていた本が忘れかけたころに売れると、やっぱり誰かが買う本だったじゃん、とうれしくなる」と話す鈴木創さん
 「ずっと棚に置いていた本が忘れかけたころに売れると、やっぱり誰かが買う本だったじゃん、とうれしくなる」と話す鈴木創さん

 名古屋市の繁華街裏にある古本屋「シマウマ書房」。階段を上り、ドアを開けると、客が「たまさか(偶然)」の一冊との出会いを求めて棚と向き合う静かな空間が広がる。開業から20年、店主の鈴木創さんが日々の思いをつづったエッセーを出版した。

 古本屋とは、本に宿った「過去から吹き抜けてくる風のようなもの」を受け継いでいく仕事なのだと考えている。店での日常や自身の記憶に古今東西さまざまな書籍の引用も交えた文章からは、そんな風を感じることができる。

 デジタル化が進む中、紙の本の役割を改めて考えるため「いろいろな角度から、本というものについて書いたつもりです」。雨の日も風の日も決まった時間に店を開ける。「定点...

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