
児童精神科医の八木淳子さん
東日本大震災で津波に襲われた6歳の女児は、手をつないで逃げてくれた保育士さんが亡くなったことを「私が手を離したからだ」と思い込んでいました。そして津波の場面は怖いから思い出すのを避け、記憶にふたをしてしまう。悲しみを受け入れる「喪の作業」が進まず、何年も罪悪感を抱えて生きていました。
成長して引きこもり状態になった彼女のトラウマを治療する中、語りに耳を傾け、思いを受け止めつつ、時間をかけて「本当にそうかしら」と一つ一つ投げかけていくと、気付きが生まれます。「私のせいで先生が死んだわけじゃない」と。
自分の気持ちを言うと迷惑になると感じ、言わないことが多かったという彼女は治療後「感情を出せるよ...
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