東京大の斎藤幸平准教授
 東京大の斎藤幸平准教授

 温室効果ガスをほとんど排出していない貧しい国や、次世代の人々が大きな影響を受ける気候危機。その不公正をただすため、先進国や大企業に責任ある行動を求める「気候正義」の実現に向けて取り組む2人の識者が論じた。

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 2025年末、私にとって避けて通れない出来事があった。国を相手取った気候変動訴訟の原告となったことである。国を相手にした裁判と聞くと、大げさだ、過激だと感じる人もいるだろう。しかし、これは、特に大人たちが、声を上げなければならない問題だと考えている。

 昨年末、全国から集まった450人余の原告と共に、国に対して1人千円の損害賠償を求める訴えを起こした。金額だけ見れば拍子抜...

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