牧紀男・京都大防災研究所教授
 牧紀男・京都大防災研究所教授

 1959年の伊勢湾台風による被害を契機に、災害からの復旧の仕組みがつくられた。道路や橋、堤防などを元に戻す原形復旧が柱だ。人口が増加し経済が成長していた時代は、インフラさえ元に戻せば被災地の経済は自然によくなるという発想で十分だった。被災者向けの住宅は戦前から整備していた。

 95年の阪神大震災での激甚な被害を受け、新たな課題が浮かび上がった。私的な領域を理由に対象外としてきた被災者の住宅再建の支援と、地域経済悪化への対応だ。

 被災者については、生活や住まいの再建を行政が金銭的に支援する法律が制定された。経済面では「にぎわい」や「なりわい」を取り戻すことを目的として、東日本大震災では「グループ...

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