安藤道人・立教大教授
 安藤道人・立教大教授

 2026年度予算案が衆院を通過した。予算案には、医療費の自己負担に上限を設ける「高額療養費制度」の新たな見直し案が盛り込まれている。参院で始まった審議を注視したい。

 振り返れば昨年3月、当時の石破茂首相は当初の見直し案をいったん凍結すると表明し、25年度予算案は再修正された。その後、患者代表の委員を含む専門委員会で議論し昨年末、厚生労働省が新たな案をまとめた。

 新見直し案には「二つの顔」がある。自己負担の月額上限を最大38%引き上げるという「負担増」の顔と、年間上限の創設など「負担減」の顔だ。

 全体としては負担増の色合いが強い。政府推計では、医療費を2450億円抑制し、うち1070億円は自己...

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