80代で挑み 黄瀬戸完成

 ようやく雪国にも花の便りが届く季節となりました。駒形十吉記念美術館も春爛漫(らんまん)の作品で皆さまをお迎えいたします。

 春からの第1回企画展は「唐九郎再び」。加藤唐九郎の「陶芸」、そして「書」などを彼をよく知る人たちの言葉とともに、さらに深くご覧いただきたいと思います。

 加藤唐九郎は、古い窯を調査し、土を探求し、釉薬を研究し、「陶器大辞典」を作りました。一生涯ではなかなかなし得ないほどのことを手掛け、それぞれに成果を上げています。

 志野、織部、唐津焼などに名碗を多数残しましたが、いつも頭の中にあったのは黄瀬戸でした。黄瀬戸は元々食器として用いられていました。柔らかい黄色に、伸びやかな線刻や...

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