
太陽光発電のパネルの下で育つブドウの木。土壌の質に左右されない方法で栽培されている=9日、岩手県陸前高田市
2011年の東京電力福島第1原発事故を境に、日本のエネルギー政策は大きく変わった。かつて大手電力が独占した供給体制は自由化され、再生可能エネルギーの導入が急拡大した。しかし時間の経過とともに風向きが変わる。国は原発を最大限活用する方針に再転換し、「主力電源」と位置づけられた再エネは、拡大の動きが鈍り始めている。国の掲げる理想と現実はかみ合わず、ゆがんでいるように映る。福島事故から15年。複雑化するエネルギー政策の背景を探った。(報道部・高橋央樹)
地域で発電した電力をその地域で消費する。福島第1原発事故後、こうした取り組みが各地で広がった。
岩手県陸前高田市の沿岸部。海岸線から1キロほどの土地に太陽光発電のパネルが広がる。広さは約0・7ヘクタール。パネルの足元には、ブドウを植えた約500個の園芸ポットが並び、支柱に沿って枝を伸ばしていた。同じ場所で、発電と農業生産を行うソーラーシェアリングだ。
海岸から畑までの間に建物はほとんどない。沿岸部は東日本大震災の津波で被害を受けた。広大な更地の活用策で、農場を運営するワタミオーガニックランドなどが協力して発電事業を行っている。
発電した電力は、...
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