世界の再生可能エネルギー導入の情勢などについて語るエイモリー・ロビンス氏(右)=12日、東京
世界の再生可能エネルギー導入の情勢などについて語るエイモリー・ロビンス氏(右)=12日、東京

 2011年の東京電力福島第1原発事故を境に、日本のエネルギー政策は大きく変わった。かつて大手電力が独占した供給体制は自由化され、再生可能エネルギーの導入が急拡大した。しかし時間の経過とともに風向きが変わる。国は原発を最大限活用する方針に再転換し、「主力電源」と位置づけられた再エネは、拡大の動きが鈍り始めている。国の掲げる理想と現実はかみ合わず、ゆがんでいるように映る。福島事故から15年。複雑化するエネルギー政策の背景を探った。(報道部・高橋央樹)

<上>電力の地産地消…自由化で地域に活力、市場ルール固まらず不安も

 2011年の東京電力福島第1原発事故後、日本のエネルギー政策は再生可能エネルギーの「主力電源化」を掲げた。しかし、その理念を実現する歩みは鈍い。背景には、原子力や火力に連なる産業を守ろうとする国の思惑も透ける。

 昨年改定された政府のエネルギー基本計画は、国内の電力供給を担う40年度の電源構成目標を示し、再エネを最も多い5〜4割程度とした。火力は、脱炭素に配慮した燃料に替える前提で4〜3割程度、原発は2割程度としている。

 再エネの主力電源化にふさわしい目標にも映るが、世界と比べると控えめなことが分かる。国際エネルギー機関(IEA)が、脱炭素を実現するためのシナリオとして描く数値は、...

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