ホルムズ海峡の封鎖やガソリン価格の急騰。最近のニュースに接し、昭和40年代に週刊少年ジャンプに連載された本宮ひろ志さん原作の漫画「男一匹ガキ大将」を思い出す

▼主人公・戸川万吉と、その子分である不良少年たちが、石油危機に陥った日本に石油を運ぶため、壮絶な戦いをする展開があるからだ。ページが少し黄ばんだ文庫本を本棚から取り出し改めて読み直すと、約50年後の現在を予想したのではと思える場面もある

▼漫画ではペルシャ湾で日本のタンカーが次々と砲撃され、石油の輸入がストップする。政府は「マイカー族に対しガソリン規制」「営業用工業用以外のガソリン販売中止」などを打ち出す。国民は怒り、パニックとなる

▼現実世界でも、米国とイスラエルのイラン攻撃が続けば、そうした事態になるのではと不安になる。「男一匹…」で日本に入る石油を止めたのは、日本経済界の乗っ取りを企てる米国の財団の陰謀だった。ペルシャ湾での砲撃もその財団の仕業だ。米国に振り回されるという点も、今と似ているような

▼漫画とはいえ砲撃を受けたり、ホルムズ海峡に敷設された機雷除去のため自爆したりと、多くの人命が失われるシーンがある。原油輸入のため犠牲者が出るのは、フィクションの世界だけでたくさんだ

▼この漫画が世に出た頃にはオイルショックがあった。それから約半世紀、再び日本経済の弱点があらわになった。リスク回避の手だてを何ら講じてこなかったことが、不思議でならない。