人気テレビドラマ「あばれはっちゃく」シリーズの原作者である児童文学作家の山中恒さんが死去した。軍国主義一色に染まった戦前に少年時代を過ごしたことから、その検証をライフワークとし、収集した膨大な資料を基に著書を次々に刊行した。

 平和の尊さを訴え続けた執念に深い敬意を表するとともに、東アジアの安全保障環境悪化がしきりに叫ばれる今こそ、次世代として遺志を継承したい。

 戦前の歴史、特に子どもの教育や人々の暮らし、言論統制、メディアの状況を調べていると、必ず山中さんの著作に行き当たる。関連の著書は30冊以上。徹底した資料集めと綿密な分析に舌を巻く。

 満州事変が起きた1931年に生まれ、37年に始まった...

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