過去1年半ほどの間に、3回の国政選挙が行われた。その結果が出るたび、リベラルであれ保守であれ、議席を減らした陣営で敗因についてささやかれる一つの「分析」がある。「多様性の重要性なんて掲げるから負けたのだ」「そんなことより生活に直結する経済の課題を優先すべきだろう」という総括だ。

 こうした主張は、性の多様性に関する差別解消に取り組み、性的マイノリティーの権利保障を求めて活動する筆者には、極めて的外れなものに聞こえる。政党の勝ち負けの議論以上に、政治が「多様性」と「経済・生活」を相反するものとして切り離してしまう、その根深い認識のずれに強い危機感を抱くからだ。

 そもそも「相反する」と捉える考え方...

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