「上野新農業センター」が管理する田と大島毅彦社長。昨年末、初冬直播に取り組んだ=2月、関川村
「上野新農業センター」が管理する田と大島毅彦社長。昨年末、初冬直播に取り組んだ=2月、関川村

 コメ生産の現場では、個人生産者の離農が進んでいる。コメの安定供給には農地の集積・集約による大規模化が鍵とされるが、引き受ける大規模生産者からは「これ以上無理だ」との声が上がる。人手や設備の不足、厳しい耕作条件などが大規模化の壁となっているのが現実だ。生産者の声を聞いた。(報道部・山本司)=4回続きの4=

<3>山間地「全部は守れない」農地保全と利益確保で葛藤抱え…

 田の受託面積拡大には、農作業の省力化が鍵を握る。大きな力になると期待されるのが、乾いた田に直接種もみをまく「乾田直播(ちょくは)」と呼ばれる農法だ。

 関川村の中山間地、女川地区。有限会社「上野新農業センター」(関川村)は2025年、40ヘクタール以上ある田のうち、約10ヘクタールで直播を実施した。

 直播には5年ほど前から取り組む。一般的に直播は除草の回数が増え、収量も低いとのデメリットも指摘される。センターでは施肥体系を見直すことで除草作業の回数を減らし、課題を克服した。25年産は収量が増える成果があった。早生(わせ)品種の「つきあかり」で...

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