「さわだ」解散後に事務整理をする石山忠雄さん=3月、上越市板倉区
「さわだ」解散後に事務整理をする石山忠雄さん=3月、上越市板倉区

 コメ生産の現場では、個人生産者の離農が進んでいる。コメの安定供給には農地の集積・集約による大規模化が鍵とされるが、引き受ける大規模生産者からは「これ以上無理だ」との声が上がる。人手や設備の不足、厳しい耕作条件などが大規模化の壁となっているのが現実だ。生産者の声を聞いた。(報道部・山本司)=4回続きの2=

<1>コメ安定供給へ進む農地集積、面積膨らみ生産者から悲鳴

 後継者不足を理由に離農するケースは、個人だけでなく大規模経営体でも見られる。

 45ヘクタールを耕作していた上越市板倉区沢田地区の農事組合法人「さわだ」は2023年、隣の地区の有限会社「穂海農耕」に全面積の利用権を委譲し、法人は25年12月に解散した。

 1972年に任意の生産組合として発足した「さわだ」。その後集落営農組織、農事組合法人に発展した。「地域で田を守る」という理念を掲げて50年。「さわだ」には農業分野で働き盛りの世代も複数所属していたが、次の世代がいなかった。

 新たな担い手を見つけ養成するかを含め、数年間話し合った末、穂海農耕に託すことを決めた。「働き手の体力の限界まで頑張って、いきなり『万歳』する事態になったら他の地主に迷惑がかかる。だから決断した」と代表理事を務めた石山忠雄さん(72)。一方...

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