出勤の途中、真新しいスーツの若者を見かけると、気になり目で追う。わが子と同世代だからだろうか。新社会人になった若者にあれこれ思ってしまう

▼早く仕事を覚えて上司や先輩とうまくやれよ。言われたことをしっかりやらないとアウトだぞ。その一方、張り切り過ぎず一つ一つ覚えればいいからね。背伸びをして無理し過ぎないように、などと心の中でつぶやいていると…

▼新潟日報デジタルで興味深いニュースを見つけた。「静かな退職」という働き方が注目されているという。仕事にやりがいを求めず、心は退職したように淡々とこなす働き方だ。就職情報のマイナビが2024年に全国3千人に行った調査では、44・5%が「静かな退職をしている」というから驚く

▼記事に出てくる20代と30代の若者は、必死に働いた過程を経て「静かな退職」にたどりついた。理由は出世するタイプではないという見極めだったり、心身の不調だったり。給料は減っても、プライベートを重視した人生を送っている

▼「最近の若者は…」と思いがちだが、よく考えると気付くことがある。そんな働き方の人は昔からいたよね、と。マイナビの調査では40~50代も4割以上が静かな退職中と答えた

▼多様性を認める時代だが、静かな退職者が増えた会社の未来は不安になる。とはいえ出世の階段を駆け上る「課長島耕作」より、趣味が第一の平社員「釣りバカ日誌」のハマちゃんに憧れる。趣味が仕事に役立った! そんなドラマは望みすぎか。