「上から3年、下から3日」。ある大企業の経営者が経済紙でこんな言葉を紹介していた。「上司3年、部下3日」とも言うらしい。上司が部下の人となりを見定めるには3年かかるが、部下は上司の正体を3日で見抜くという意味だ
▼なぜかというと、部下は上司に気を使い、自分を良く見せようと装うが、上司は部下に気を使わず素の自分をさらけ出す。だから上司が部下の能力や性格を理解するには時間がかかり、逆はかからない
▼なるほど。実力も実績も人望もないような人物が出世するのは、その上司が本当の姿を見抜けていないから…というケースもありそうだ。組織の上に立つ者には、公正で的確な人を見る力が求められる
▼4月になり、新しい部署や立場で仕事をしている人は多いだろう。春の職場は悲喜こもごも。希望に燃えて張り切っている人もいれば、不本意な配属に不満を抱いている人もいるに違いない
▼ただ、こんな言葉もある。「自己評価は他者評価の3割増」。自分が思うほど、周囲は自分を評価していないという戒めだ。同僚は何とも思っていないのに、本人だけが「不当な扱いだ」と落ち込んでいるのは、自己評価が高すぎるからかもしれない
▼天台宗の開祖、最澄が残した有名な言葉をかみしめたい。「一隅を照らす」。置かれた場所で誠実に努力することが何より尊く、そうすればいつか自分も周囲も輝くとの意だ。どんな状況でも人として成長できるはず。一隅を照らすべく、頑張っていきましょう。
