弁護士の伊藤和子さん
 弁護士の伊藤和子さん

 4月から離婚後共同親権制度を導入する改正民法が施行された。ただし、改正法は離婚時に必ず父母の共同親権とすることを求めるものではない。共同親権という新たな選択肢を増やしただけであり、離婚後、共同親権と単独親権のどちらが原則ということもない。

 離婚後も父母が協力して共同で子の養育をするのが望ましいという、制度の理念は誰も否定しない。しかし、離婚する夫婦の多くは信頼関係が破壊され、深刻な対立を抱えている。リアルな離婚事情から見て、離婚後共同親権が適する事案がどれほどあるかは疑問だ。

 共同親権を選択すると子の進路や転居、預金口座開設など、日常の監護(監督・保護)を超える事項は、父母が共同で決める必要...

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