空気は電気や熱を伝えにくい性質を持つことが知られている。ただ、それは気体としての物理的な話。「空気を読む」という表現があるように、その場の雰囲気を意味する際は、かなり多くのことを伝えているのでは

▼職場など特定の場所で誰かがイライラ・ピリピリしていたとする。不機嫌な空気はたちまち周囲に伝わり緊張感が走る。周りの人々は萎縮しがちになり、ひどい時には業務や人間関係に大きなマイナスとなる

▼「不機嫌ハラスメント」、略して「フキハラ」という言葉がある。ため息や舌打ち、不機嫌な表情や態度で周囲に威圧感や精神的な圧迫を与えることを指すという。あいさつを無視したりドアを乱暴に閉めたりといった行為も該当するらしい

▼警視庁では、こうした態度で部下を萎縮させ職場環境を悪化させたとして、警視正だった男性が警務部長注意の処分を受けた。どんな人でも不機嫌になることはあるが、長期にわたって日常的に不機嫌をまき散らした点が処分につながったようだ

▼パワハラは上下関係を背景にした暴言や過大な要求を指すが、フキハラは序列を問わず起こり得る。顧みれば、筆者も人のことは言えないような…。ぴりついた空気を拡散し、周囲に迷惑をかけた記憶は少なからずある

▼「自分の機嫌は自分で取れ」とよく言われる。簡単ではないけれど、やっぱり周囲に過度な迷惑はかけたくない。そうならないための、おまじないのようなあいさつがある。みなさん、今日も一日ご機嫌よう。