水田の稲穂
 水田の稲穂

 実質的な議論を欠いたまま政策の方向性が逆になったという印象が強い。政府が閣議決定し国会に提出した食糧法改正案は、「需要に応じて生産する」と明記し、過剰生産を抑制してコメ価格下落防止に注力する姿勢を鮮明にした。

 これは石破茂前政権が掲げた増産方針を真っ向から否定し、日本の稲作の可能性を狭めてきた作付けを減らす減反政策への先祖返りを図るものと言わざるを得ない。

 前政権が増産方針を示したのは、需要を見誤って価格が高止まりした「令和の米騒動」で明らかになったコメの生産、流通、消費の不安定性を是正、日本農業の抜本的な強化を進めるためだった。海外市場の本格的な開拓も打ち出した。2026年夏ごろまでに水田...

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